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Henry Chadwick

ヘンリー・チャドウィックは、”フリする国の大統領”

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ヘンリー・チャドウィックは、カリフォルニア州サンタクルーズに拠点を置くシンガーソングライター、ミュージシャン、プロデューサー。
彼の音楽は、数10年にわたり繰り広げられた多岐にわたるフュージョン・ロックの影響と言える。

私たちはヘンリーと話し込んだ。レコーディングのプロセスや、インディーズ・アーティストが直面するチャレンジについて。

自分の音楽を「インディーズ、ガレージロック、サイケデリア、そしてキラキラ日光のパワー・ポップのミックス」と表現したあなた。新曲「Feel Better」は、まさにそんな感じでしたが、あなたの音楽の影響はどこからくるのですか?

僕は古いもの、新しいもの、両方から多くの音楽的な影響を受けている。前からなぜか60年代や70年代の古い音楽、ビートルズ、ザ・キンクス、ザ・ビーチ・ボーイズ、T・レックス、ハリー・ニルソンなどに惹かれてきた。
そして90年代や2000年代のニルヴァーナ、ウィーザー、 エリオット・スミス、ザ・ストロークス、ザ・ヴァインズ、ピクシーズなども。
そして毎年、常に新しいアーティストたちに感銘してインスピレーションを受けている僕なんだ。この1〜2年は実に夢中になって、フィービー・ブリッジャーズ、マイク・クロール、コートニー・バーネット、アンディー・シャウフ、エズラ・ファーマンなど、他にも多くのアーチストの音楽を聴いていたよ。影響を受けたアーチストらの名前は延々と続いてきりがないので、リストはこのへんでやめる。

あなたは新アルバムをサンタクルーズ(カルフォルニア州)とブルックリン(ニューヨーク州)でレコーディングしました。録音場所は、音楽の結果に影響を与えますか? 東海岸または西海岸の特定のバイブはありましたか?

いい質問だね。実際にそのことは僕が長い間かけて考えたことだった。ああ、影響はあると思うよ。僕にとっては微妙な感じでね。

ブルックリンのスタジオでレコーディングをしていたときを思い出す。窓から見える車や建物やらの景色にすごくインスピレーションを与えられたことを。そしてその馴染みない、とてつもなく素晴らしい街を一人で歩き回る感覚に触発された。
何度と言われ続けてきたことだが、ニューヨークは本当に極めて独特でパワフルなエネルギーのある街だ。どの楽器を手にして、どこに制作を持っていくかの情報やインスピレーションを、その街から与えられたことは間違いない。

前作アルバム「Marlin Fisher」では全楽器を自分で演奏しました。その背後にある考えとプロセスについて少し教えてくれますか。

もちろん! 主に、僕は必要に迫られて、いろんな楽器の数々を自分で演奏したんだよ。曲を書いてるとき、何度もデモをやって、フルに楽器を入れた音楽制作ではどんな風に聞こえるかを頭の中で想像している。それが、自分で演奏するという結果となったんだ。

僕は曲を書いているときに、プロダクション、楽器のレイヤーまで耳にして聞く傾向があり、どんな感じかと口で説明する代わりに、こういう感じと自分でレコーディングして聞かせる方が簡単だったりするんだ。しっくりいく説明かどうか分からないが。

あなたのニューEP「The President Of Make Believe」でも、全楽器を演奏したのですか。

僕が演奏したのは、ドラム、ギターの大部分、パーカッション、いくつかのベース、そして奇妙な楽器など。エンジニアのマイク・ベックがキーを演奏し、カイル・ポッペンとオースティン・コロナがいくつかリードギターをプレイ。2曲、エイダン・コリンズがベースを演奏した。
「スマッシュ・マウス」などで知られるグレッグ・キャンプがベース、パーカッションを演奏し、実のところ「Awake」を書き終えるのを手助けしてくれたのも彼だった。
おー、あと、ブライアン・サンダース。すごいチェロを演奏した彼!その功績はしっかり認めなくては、ハハハ。他には、誰も忘れてないと思う。

インディーズミュージシャンとして直面する最大の課題は何ですか?

ジャンルとしてインディーズは時に、住処となるホームを見つけるのが難しいと思う。そのジャンルの名前自体が、誤解を招くこともあるのではと思う。

自分のことをインディーズと表現すれば、違う人たちがそれぞれ違うイメージを抱くこともあると思う。人々は時にインディーズがどんなジャンルを指すのか、わからなかったりするようだから。3つか4つのジャンルをコンボして、ようやく最終的にわかってもらえる、みたいな気持ちになるのさ。それは僕個人の問題かな。ハハハ。

だけど、だからこそ、それはクールだと思うんだ。他のジャンルの間に存在するような音楽を作っているアーチストたちの呼び名のようになってきているのは、とても良いことだと思うから。

「The President Of Make Believe(フリする国の大統領)」というタイトルに出てくる”大統領”とは誰のことですか?

それは「Feel Better」のブリッジの歌詞からとったフレーズ。
子供の頃、僕は大統領になりたいと思っていた。 小学生の頃、小さなホームスクールのチャータープログラムに通っていて、そこには生徒会もなかったけれど、クラスの大統領(生徒会長)になりたいと思った。それでただ、”大統領”になるために自分でレースを始めた…自慢するつもりはないが、僕は当選した。(笑)ああ、奇妙な子供だったんだ。

まあ、とにかく僕はそれについて考えていた。そして大人になった今、大統領になることほど楽しくないことはないだろうと考えながら。”The President Of Make Believe(フリする国の大統領)”とは、僕たちみんなの中に宿っている子供の部分、単純に白黒の視点から人生を見つめる理想主義的な子供だと思うんだ。

アルバムのタイトルに選んだ理由は、僕がクリエイティブな仕事をしていて、自分の頭の中にしか存在しないものについてトップの者として重大な決断を下さなければならないことが面白い、と思ったから。 ある意味で、僕はいまだに、フリする国の大統領なんだ。

インタビューに応じてくれて、ありがとう!

もちろん、喜んで。ありがとう!

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denmnyc@gmail.com