fbpx
Loader
TEKE::TEKE

日本のサイケロック・バンド TEKE :: TEKE インタビュー

この記事を English (英語)で読む

昨年のぼくのお気に入り音楽発見は、日本の7ピースのサイケパンク・バンド TEKE :: TEKEだった。曲をかけた途端、1960年代にタイムスリップし、日本のフォーク音楽がサイケデリックなフィルムノワールのサウンドトラックへ溶けこんでいく世界に包まれた。

特に、ぼくが気にいってる2曲は、五感の祭典といえるものだ。

1曲は、寺内タケシの「千鳥」のカバー。 寺内タケシはバンド、ブルージーンズで日本のサイケミュージックのパイオニア的存在となった。

そして、TEKE :: TEKEオリジナル曲「Kala Kala」。

日本の伝統的なフルート、ファジングされたギター、そしてあの黒木麻夜のユニークなヴォーカルスタイルがフィーチャーされたトラックに、すっかり心がとろけてしまう。

TEKE :: TEKEとバーチャルに話し、彼らが受けた影響や、創造へのプロセス、現在やっていることについて聞く機会を得た。(下記は、英語の回答からの翻訳)

私たちは、スピード・グルー&シンキや、ザ・ボルテージ、ザ・カーナビーツなどの1960年代の日本のサイケデリックバンドのファンです。あなたのサウンドは、どのバンドから影響を受けましたか?

「あなたが名指した、それらのバンドが大好き。それとJ・A・シーザー、JA Seazer、東京キッドブラザース、また、裸のラリーズや芸能山城組など、もっと実験的なバンドも大好きです。
そして私たちは藤圭子、浅川マキ、中島みゆきなどの歌手のファンでもあります。

歌詞に関しては、演歌、そして演歌の持つドラマ性への傾向からも影響を受けています。
(最近リリースされたシングル「Kala Kala」で見られる顕著な影響!)。

そうは言っても、私たちはこれらすべての影響をいじくり回すのが好きだけれども、それは私たちの実際の全体像の一部でしかありません。

私たちのバンドはかなり折衷的な人々のグループであり、
私たちはその時代に育ったわけではないので、この懐かしさは私たちの親から私たちに伝えられたものだと言えます。
私たち自身にとっての音楽的なノスタジリアは、80年代や90年代の音楽がルーツになっているんです。

TEKE::TEKEのサウンドは、これら2つの世界のちょっとした出会い、であるのかもしれない。それに加えて現在の世界中のアーティストたちから掘り下げたすべてが含まれたものなのかもしれない」

TEKE :: TEKEがモントリオールで、どのように結成されたのか教えてください。

「TEKE :: TEKEは、地元のサイケデリックミュージック・フェスティバルで、寺内タケシの音楽を1回限りのショーで演奏しようとトリビュート・バンドとして形成されたのです。
そのアイデアのもとに、以前から違う企画でかかわってきた地元のミュージシャンたちをリクルートしました。

一見、ありえないグループのように見えるのだけれど、集まってみると私たちは音楽的な相性が合っていて、それがまさに強烈にすごい体験で、ただただ純粋に楽しかったんです。
そのとき、これは1回限りのものではないと、すでに感じたんです。このいろんな背景を持つ人たちが集まると、とてつもなくスペシャルな何かが起きていることが明らかだったから。

でも私たちはカバーバンドや、「レトロ」バンドみたいになることにも興味はなかった。
だから自分たち独自の楽曲を書き始めたんです。
そして、歌手兼パフォーマンス・アーティストである黒木麻夜(Maya Kuroki)をラインナップに加えました。それからというものの、私たちは前進するのみです」

シングル「千鳥(Chidori)」は、日本の伝説的ギターリストの寺内タケシと彼のバンド、ブルージーンズのカバー曲です。 なぜ、この曲を演奏したいと思ったのですか。

「その「千鳥」の曲が持つハイエネルギー、アレンジ、そしてメロディに、私たちTEKE :: TEKEは自動的に共感してしまったんです。
そして、私たちが再解釈できる曲のように聴こえた。そうできる全ての要素と空間が揃っていて、そこに私たちの現代的なツイストを加えたり、大きなことを言うと、偉大な”テリー”への敬意を持って、さらにパンクにしたりできるのではないか、と思わせるものが、そこにあったのです。

なので、スタジオで私たちのアルバムをレコーディングしていた際、この曲だけは、ライブでやって、その一度のテイクでカットしようと決意したのです」

TEKE :: TEKEのビジュアル面は、1960年代のアルバム・アートワークの影響を受けているように見えます。あなたのビジュアルを表現する創造的プロセスは、どのようなものですか?

「私たちのビジュアルは、”昭和”から多くの影響を受けています。
特に60年代の日本のカウンターカルチャー、アバンギャルドの劇場や、映画ポスターの美学のファンです。
そのカラフルでパンチの効いたパンクなコラージュは、私たちの心に響く非常にインパクトのあるアートを生み出す。そんな私たちの作品から生まれるエネルギーを実感してもらえると思います。

繰り返しになりますが、これらは影響や参照であり、それを今日の私たち自身の背景にしていくことが重要です。

私たちは通常、DIY(ドゥ イット ユアセルフ)そのものというやり方で、オーガニックなアプローチから始めます。まず、麻夜(歌手)が絵を描いたり、書道したりしている。コラージュも作成しているかもしれない。私は写真をプリントアウトしたり、それをハサミでカットしたり、質感を加えたり。 ある時点で、私たちはすべてをコンピューターに転送し、そこでさらに調整するんです」

バンドがファンとのつながりを維持していくに難しい時期でした。ライブ演奏できましたか、それともレコーディングの方に取り組んでいるのですか?

「ライブショーや人々との接触が恋しいのは明らかですが、私たちはこの時期をよりクリエイティブなことに取り組む時間にしてきました。

いくつかのライブ・ストリームショーを試してみて、いくつかの”制限”スタイルのビデオも作成したけれど、最近、レコードレーベルKill Rock Starsと契約し、この春にフルレングスのアルバムが初リリースされることになったので、その計画やコンテンツの作成(Web用)に焦点を絞りました。また、次のレコードのために新しい音楽も書き始めました」

ファンたちが楽しみにできるTEKE::TEKEのこれからの計画は?

「夏にレコーディングスタジオが一時的に再開したとき(新規制により、7人のバンドメンバー全員が同じ部屋に一緒にいることさえ許されなかった)、その期間を使用して(そこに存在する課題を含めて)、2曲のエクスクルーシブ・トラックのレコーディングをしました。「Singles Club」の一環としてSUB POP Recordsからリリースされました。

私たちにとって初のフルアルバムとなる「Shirushi」は、2021年春、Kill Rock Starsというレーベルからリリースされ、その前にいくつかのシングルをリリース予定。

また、ミュージックビデオとパフォーマンスビデオの両方で、21年初めに公開されるいくつかのビデオにも取り組んでいます。

そして、ついにパンデミックが終わって誰もが安全に暮らせるようになったらすぐに、またライブショーが開催できる。ツアーの準備にかかります!」

インタビューに応じてくださり、ありがとうございました!

「Thank YOU! ☺ TEKE::TEKE」

この記事を English (英語)で読む

Dennis Martin
dennis@trendandchaos.com

デニス・マーチンはミュージックプロデューサー / マネージャーで「トレンド&カオス」創立者。 Follow Instagram & Twitter.