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MXMS - "What's My Name"

新しいジャンル「フューネラル・ポップ(葬式ポップ)」!代表はデュオのMXMS。

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音楽ジャンルそのものに驚き、固まってしまうことなんて滅多にない。

それぞれ違うジャンル内には、いろいろな種類の革新的なイノベーションが存在するけれど、まったく新しいジャンルがクリエートされることは、あまり目にしない。
だから、この二人組ユニットのMXMSがリードする”フューネラル・ポップ(葬式ポップ)”と呼ばれる新しいジャンルの登場が、とても魅力的なのだ。

MXMSというデュオの名前は「Me and My Shadow(私と私の影)」の頭文字をとったもので、ミニマリストでありながらインパクトあるスタイルを実現する自主制作グループ。

このジャンルのクリエーターたちは、心の病や中毒を意識し、いつまでも耳に残る魅惑的に豊かな歌を作り上げている。

歌手アリエル・レヴィタンの惹きつけられる声と、マルチプレイヤーのジェレミー・ドーソンの才能が、重みをかけることなく重く感じる曲で花開く。暗いながらも光を見せている曲の数々で。 

葬式のように、どこか祝賀される美を持つ厳粛な音楽をクリエートできる才能。そんなMXMSは、この新しいジャンルの代表にふさわしい。

前の彼らの楽曲「I Revengeのようなナンバーは、教会の聖歌隊が持つ極めて優美なパワーと、ホラーの中に存在する優しさを備える。

「誰も傷つけたことなんてない。そろそろ、その時よ」と、アリエルは歌う。 「ファーザー、私を許して、私は罪を犯した、私は復讐するのよ。私が彼にやらかしたことを見て。私は降参してしまったのよ」 

パリ」は、美しく穏やかな曲で、まるで苦痛を和らげる効果のあるような歌。アリエルが歌う。「私が知らないことを教えて。あなたの腕を上げ、海を割って。自分をどうやって愛せばいいのか教えて。私のハートを見せて、どうやって血を流すのか」
彼らの歌には、どこか心を動かす、痛みか感動を伴う詩的な歌詞がある。それはまるで、追悼のよう。

自殺予防デーに、彼らの最新曲「What’s My Name?」がリリースされた。不気味に美しい歌はスローで、ずっと私たちを構えさせる。そして歌が終わった後も余韻が残る。
「私の名前は何?」と歌うサビ部分は、まるであざけるように、聴くたび背筋を震わせられる甘い残忍性を持って歌われている。

「あなたは声を出せる、神はあなたを美しくした。 私には選択がない、もう私を傷つけないで」と、アリエルは歌う。
「先生、なぜ私を笑うの、再びなぜ私を笑うの? 私にあだ名をつけるなら、私は自分の頭を撃ち抜くわ」
人の行動が他人に与える影響についての正直な見解。自殺への症状がどう作用されていくのか、この曲の信ぴょう性を高めていく。不安定でありながら天使のような歌、聴けばその魅力がわかるはず。

MXMSの葬式ポップの罠(墓場?)は、私たちの興味をそそるが、私たちは文句を言えない。急いで!この葬式には遅れたくない!

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ゾイ あずま マーティン
zoe@trendandchaos.com

ゾイは「トレンド&カオス」のスタッフライター・編集者。20歳でニュースクール大学を首席で卒業し文学士号を取得。現在はNY市の大学院で文芸の修士課程を勉強中。Instagram